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論理回路図からブレッドボードへ:74HC の IC で組む

読了時間:約 8 分 · bitGateLab チーム

回路図の上では動く回路が、ブレッドボードでは動かないことがあります。原因は、回路図には現れない細かな点です。途中で分かれた電源レール、逆向きに挿した IC、どこにもつながっていない入力、抵抗なしの LED などです。この記事では、ブレッドボードの内部がどうつながっているか、14 ピン DIP の 74HC IC のピン配置の読み方、LED の抵抗値の計算方法、そして順序立てたデバッグの進め方を見ていきます。

ブレッドボードの内部接続

穴の下には金属の板があり、いくつかの穴をグループごとにつないでいます。典型的な配置は次のとおりです。

簡単な見分け方:二つの端子がつながっているのは、同じ行で溝の同じ側にある場合か、同じレールにある場合(レールが途切れているなら、同じ半分にある場合)だけです。それ以外はすべて、配線が必要です。

14 ピン DIP の IC のピン配置

IC を上から見て、切り欠き(または丸い印)を上か左に向けます。1 番ピンは切り欠きのそばにあり、番号は反時計回りに進みます。片側を 1 番から 7 番まで下り、反対側を 8 番から 14 番まで上ります。14 番ピンは 1 番ピンの向かいにあります。

123 456 7 141312 11109 8 74HC00 1A1B1Y 2A2B2Y GND VCC4B4A 4Y3B3A 3Y
上から見た 74HC00(2 入力 NAND が四つ)。各ゲート n には、入力 nA、nB と出力 nY があります。

14 ピンのロジック IC のほとんどでは、電源ピンは対角の位置にあります。14 番ピン = VCC、7 番ピン = GND です。2 入力ゲートを四つ収めた IC は、どれも同じピン配置になっています。

IC機能ゲート 1ゲート 2ゲート 3ゲート 4
74HC00NANDA=1, B=2, Y=3A=4, B=5, Y=6A=9, B=10, Y=8A=12, B=13, Y=11
74HC08AND
74HC32OR
74HC86XOR

例外に注意してください。74HC02(NOR が四つ)は出力が 1、4、10、13 番ピンにあり、74HC04(インバータが六つ)は入力/出力のペアが 1→2、3→4、5→6、9→8、11→10、13→12 です。どの IC でも、配線する前にデータシートでピン配置を確認しましょう。

LED の電流制限抵抗

LED を出力に直接つなぐと、出力が供給できるだけの電流が流れてしまい、LED か IC が壊れます。直列に入れた抵抗が電流を決めます。

R = (V出力 − Vf) / I

ここで Vf は LED の順方向電圧降下です(一般的な赤、黄、緑では約 2 V、青と白では約 3 V)。74HC の出力は、有効な論理レベルを保ったまま約 4 mA を供給できるように規定されています。それ以上を引き出そうとすると、出力電圧が VCC や GND から離れていきます。

例:5 V で動作する 74HC の出力に赤色 LED(Vf = 2 V)をつなぎ、4 mA を目標にします。

  1. R = (5 − 2) / 0.004 = 750 Ω。
  2. すぐ上の市販の値である 820 Ω を選びます。
  3. 実際の電流:I = 3 / 820 ≈ 3.7 mA。制限内に収まり、LED をはっきり見るのに十分です。

330 Ω にすると電流は 3 / 330 ≈ 9.1 mA となり、有効なレベルを保つための規定値の倍以上になります。

論理 1 で点灯する LED の接続は、出力 → 抵抗 → アノード(長いリード)→ カソード(短いリード、平らな面のある側)→ GND です。

未接続の入力

CMOS の入力は、インピーダンスが非常に高くなっています。どこにもつながないままにしておくと、「0」とも「1」とも読まれません。ノイズやたまった電荷によってどんな電圧にでもなり、中間のレベルにとどまって、ゲートが発振したり、通常より多くの電流を消費したりすることがあります。そこで、次のようにします。

バイパスコンデンサ

ゲートはスイッチングの際に短いパルス状の電流を引き込みますが、配線のインダクタンスのせいで電源からの供給が間に合わず、IC の電圧が一瞬下がります。その対策が、VCC と GND の間に入れる 100 nF のセラミックコンデンサです。14 番ピンと 7 番ピンのできるだけ近くに、すべての IC に一つずつ配置し、その電流を IC のすぐそばで供給します。さらに、ブレッドボードへの電源の入り口に、10〜100 µF の電解コンデンサを極性に注意して入れておくとよいでしょう。

回路図から配線へ

例:74HC08 と 74HC32 を使って F = A·B + C を組みます。

  1. 74HC08 を、切り欠きを番号の小さい行のほうに向けて、溝をまたぐように挿します。1 番ピンが行 10 に入るなら、7 番ピンは行 16 に、14 番ピンは溝の反対側の行 10 に入ります。
  2. 14 番ピンを + のレールに、7 番ピンを − のレールにつなぎます。74HC32 でも同じようにします。各 IC のそばに 100 nF のコンデンサを置きます。
  3. A を 74HC08 の 1 番ピンに、B を 2 番ピンにつなぎます。その 3 番ピン(A·B)を 74HC32 の 1 番ピンにつなぎます。
  4. C を 74HC32 の 2 番ピンにつなぎます。74HC32 の 3 番ピンが F です。これを 820 Ω の抵抗と LED を通して GND につなぎます。
  5. どちらの IC でも、余ったゲートの入力である 4、5、9、10、12、13 番ピンを GND につなぎます。

順を追ったデバッグ

  1. 電源:テスター(マルチメータ)で、レールではなく、各 IC の 14 番ピンと 7 番ピンの間の電圧を直接測ります。こうすれば、途切れたレールや、正しく挿さっていない IC を見つけられます。
  2. 向き:各 IC の切り欠きを確認します。逆向きに挿した IC は、間違ったピンに電源がかかって熱くなります。IC が熱くなっているのに気づいたら、すぐに電源を切ってください。
  3. 入力:使っていないゲートの入力も含めて、すべての入力が期待どおりのレベルになっていることを確かめます。
  4. ゲートを一つずつ:入力から始めて出力に向かって進み、各ノードを真理値表と比べます。最初に一致しないノードが、問題のある場所を教えてくれます。
  5. 機械的な問題:IC の下で曲がったリード、隣の行に入ってしまった配線、ゆるんだジャンパ線を探します。

よくある間違い

シミュレータで試してみよう

仮想ブレッドボードを使えば、実物の部品に触れる前に、部品の配置と配線を練習できます。

  1. 回路エディタで F = A·B + C を組み、真理値表を確かめます。
  2. 仮想ブレッドボードに移り、74HC08 と 74HC32 を中央の溝をまたぐように配置します。
  3. 各 IC の 14 番ピンに VCC を、7 番ピンに GND をつなぎます。
  4. 例の手順に従って、入力、IC 間の接続、LED への出力を配線します。
  5. A、B、C を切り替えて、LED が真理値表どおりに点灯することを確かめます。

練習問題

  1. 74HC86 でゲート 3 を使うには、どのピンを使いますか。また、そのゲートはどんな機能を持ちますか。
    解答

    入力は 9 番ピンと 10 番ピン、出力は 8 番ピンです。XOR です。

  2. 5 V で緑色 LED(Vf = 2.1 V)に 3 mA を流すための抵抗値を計算し、市販の値を選んでください。
    解答

    R = (5 − 2.1) / 0.003 ≈ 967 Ω。1 kΩ を使うと、I = 2.9 / 1000 = 2.9 mA になります。

  3. 74HC の IC を三つ使った回路が、動いたり動かなかったりし、複数のゲートが同時にスイッチングすると誤動作します。まず何を確認しますか。
    解答

    バイパスコンデンサです。各 IC の 14 番ピンと 7 番ピンの間に、IC の近くで 100 nF のコンデンサが入っているかを確認します。あわせて、各 IC のピンで測った電源電圧も確認します。

  4. IC を、1 番ピンが行 20 の e 側に入るように挿しました。8 番ピンはどの行のどちら側に入りますか。
    解答

    7 番ピンは行 26 の e 側に入り、8 番ピンはその向かい、つまり行 26 の f 側に入ります。